このページは、当所のアマゾン特別プランで商標出願をしていただいた方向けのページです。一般的な早期審査については、個別にお問い合せください。
早期審査の手続きについて
早期審査請求の指示はこちらからお送りください

(当所のアマゾンプランで出願いただく方/出願いただいた方専用)
商標の早期審査とは

商標出願は、出願後、特許庁の審査官による審査を受けて、登録できるかどうか判断されます。審査は原則として出願が受理された順に行われます。つまり、出願後、実際に審査されるまでに、順番待ち期間があります。

現在、この順番待ちは、平均して4-5ヶ月だと言われています。※ただし、この期間は指定商品/役務の分野ごとに多少幅があります(ご参考)

ところが、事情により、審査を急ぐ必要がある場合もあります。そのような場合に、例外的に、順番待ちを飛ばして優先的に審査をしてもらえることがあります。この制度を早期審査制度と呼びます。

早期審査が認められると、順番待ち期間が1ヶ月〜1ヶ月半に短縮されます。

早期審査の対象となる条件

早期審査の対象となるには、大きく

  1. 出願人orライセンシーが、自らその商標を使用していること
  2. 模倣品が存在すること

という、2つの要件が必要です(両方を満たす必要があります)。

アマゾンでの相乗り排除では、以下の条件をすべて満たす場合に、早期審査請求が認められます。

  1. 個別の商品についての商標出願であること
  2. 商品本体またはパッケージ等に、出願している商標を使用していること
  3. 上記使用されている商標が、アマゾンの商品カタログの写真で確認できること
  4. その商品カタログに相乗りされていること
  5. 出願人情報が出品者情報と一致していること

以下、個々の要件を少し詳しく説明します。

早期審査の要件(相乗り排除の観点から)
  1. 個別の商品についての商標出願であること
  2. 早期審査の対象となるには、出願に係る商標を、指定商品/役務について使用していることが必要です(要件A)。小売等役務(第35類)を指定した場合、商品に商標を刻印等していても、指定役務について商標を使用しているとはいえません。つまり、要件Aを満たさないので、早期審査の対象とすることができません(特許庁に確認済みです)。

    例)第35類の「かばん類の小売又は卸売の業務について行われる顧客に対する便益の提供」を指定している場合、かばんに商標を付していても、指定役務について商標を使用しているとはいえないので、要件Aを満たしません。

    要件Aを満たすには、個別の商品を指定して、実際にその商品の本体やパッケージに商標を印刷等している必要があります。

    例)第18類の「かばん類」を指定している場合は、かばんに商標を付していれば、指定役務について商標を使用しているといえるので、要件Aを満たします。

    早期審査をご希望の場合は、小売等役務(第35類)ではなく、個別の商品について出願をしてください

  3. 出願している商標を使用していること
  4. では実際にどのような方法で商標を使用していればいいのでしょうか。この点については、あまりハードルは高くありません。

    • 商品本体に刻印や印刷をする方法
    • 織ネームを縫い付ける方法
    • パッケージに商標を印刷をする方法
    • OPP袋の表面に商標を印刷をする方法
    • OPP袋の内側に商標を印刷したカードなどを同梱する方法
    • 商品タグなどをぶら下げる方法

    これらのいずれの方法でも構いません。他にも、商品について商標を使用しているといえ、かつ、それが外側から見える(商品画像で確認できる)方法であれば、問題ありません。

    ただし、登録後に実際に相乗り排除をするには、商品本体に印刷・刻印してある必要があります(早期審査と相乗り排除では基準が異なります)。早期審査の時点ではタグをぶら下げる程度で構いませんが、審査の順番待ち期間に印刷等の準備を進めておくことをお勧めします。

  5. 商標が商品カタログの写真で確認できること
  6. 上記の方法で付した商標が、商品カタログの写真で確認できることが必要です。写真がないと商標が確認できないからです。織ネームなど商標が小さくわかりづらい場合は、その部分の拡大写真を掲載してください。なお、商標が写っている写真は1枚で十分です(すべての写真に商標が写っている必要はありません)。

  7. その商品カタログに相乗りされていること
  8. 早期審査の対象となるには、模倣品が存在することが必要です(要件B)。「相乗りされていること」を模倣品が販売されていることの根拠とします。

  9. 出願人情報が出品者情報と一致していること
  10. 出願人が商標を使用していることを特許庁が確認するために、アマゾンの出品者情報が、出願人情報と一致していることが必要です。具体的には、「特定商取引法に基づく表記」の欄の記載が、出願人情報と同じである必要があります。

    その際に、

    • 出願人が法人の場合
    • 「販売業者」欄に、法人名(願書記載の通り)を記載してください。
      「住所」欄に、住所(願書記載の通り)を記載してください。
    • 出願人が個人/個人事業主の場合
    • 「運営責任者名」欄に、出願人名(願書記載の通り)を記載してください。
      「住所」欄に、住所(願書記載の通り)を記載してください。

      ※上記情報が記載されていれば、それ以外の欄の記載は、早期審査の観点からは何でも構いません。

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準備手順

早期審査の対象とするようにこれから準備する方は、以下の手順で進めてください。

  1. 相乗りされている商品カタログを探す
  2. そのカタログの商品・パッケージに商標を入れる
  3. 商標部分の写真をカタログに掲載する
  4. 商標部分の写真が掲載された商品カタログをもうひとつ用意してください
  5. 出品者情報を確認/修正する

ここまで準備ができたら、弊所までご連絡ください。

◆ 商品カタログは2つ用意してください ◆

書類作成の技術上の理由から、相乗りされているカタログ以外に、もうひとつ商標部分の写真が掲載されているページの用意をお願いいたします。こちらには相乗りがあってもなくても構いません。

用意していただく商品カタログ:

  1. 商標部分の写真がアップされているもの(相乗り必須)
  2. 商標部分の写真がアップされているもの(相乗り不要)

どうしても2が用意できない場合は、1のみで構いませんので、その旨お知らせください(1は必須です)。

早期審査請求の指示はこちらからお送りください
(当所のアマゾンページ内で出願いただく方/出願いただいた方専用)
早期審査請求の時期

早期審査請求は、出願後、登録までいつでもできます。日本は商標について先願主義(要は早い者勝ち)を採用しているので、出願日は1日でも早い方がいいです。なので、出願準備が整い次第まず出願をして、その後早期審査の準備をし、用意でき次第早期審査請求をする手順が最も効率的です。

なお、弊所にて、早期審査請求の準備に1-2週間を要します。早期審査請求は侵害性の疎明などを含み、実は結構大変な手続きです(弊所の正規手数料は1区分7万円です)。出願時に早期審査の要件をすべて満たしている場合でも、やはりまず出願をして、その後準備でき次第早期審査請求をする手順になります。

ところで、早期審査が認められた場合のタイムスケジュールは、以下のとおりです。

  • 出願後、早期審査申請書類の準備(1-2週間)
  • 特許庁における、早期審査を認めるかどうかの審査(1-1.5ヶ月)
  • 登録査定後、登録料納付(約1週間)
  • 登録証の発行(3-4週間)

上記を総合すると、早期審査が認められた場合でも、出願から登録証を得られる(登録番号が付される)までに、3ヶ月前後かかることになります。

もうひとつの基準

ところで、上記の他にもうひとつ、早期審査の対象となる場合があります。それは、指定商品に、実際に販売している商品のみ挙げている場合です。例えば、セーターを売っている場合に、「第25類 セーター」という指定をする場合です。

ただ、中国輸入の方はこのような指定方法をすることはほとんどないと思います。中国輸入では取扱商品の幅を広げることが容易なため、将来販売可能性のある商品も広く指定することがほとんどです。例えば、「第25類 被服」や「第18類 かばん類」のような、包括的な概念を指定することが多いと思いますが、こうした指定方法では早期審査の対象とはなりません。

専門店などで特定の商品のみを扱う場合(例:水着専門店が「第25類 水泳着」を指定する場合)などを除いては、この基準が適用されることは少ないと思われます。

最後に

早期審査はあくまでも例外的な手続きです。商標は年間約10万件の出願があり、そのうち早期審査が請求されるのは1500件程度です。すなわち、全体の約1.5%しか早期審査申請されない(更には対象と認められるのはその一部しかない)、非常に例外的な手続きなのです。

出願段階で模倣品があるような特殊なケースだけ優先的に審査してもらえる手続きですが、相乗り排除は法的には「模倣品がある」ケースに該当するとはいえない可能性が高いです。現在特許庁では相乗り排除目的の出願も形式的に早期審査にかけてくれていますが、大企業を含むほぼすべての出願が通常の審査待ちをしていること、また、日本の商標審査の順番待ちは4ヶ月程度で世界最速であることを考えると、日本の商標制度の観点からは、早期審査請求を乱発することはあまり好ましくありません。どうしても登録を急がないといけないようなケースを除いては、通常審査をご検討くださるようお願いいたします。